What is Green Chemistry?
みなさんグリーンケミストリーという言葉をご存知でしょうか?
「環境に優しい化学」等に言い換えられます。
化学物質を合成する(作る)人達が、環境に配慮してものを作るためにはどうすれば良いかを考える、現実的な化学の概念です。 日本ではGSCNがグリーン・サステイナブル ケミストリー(通称グリーンケミストリー)を「人と環境にやさしく、持続可能な社会の発展を支える化学。」と定義しています。
その考え方は人体、環境に対する害(リスク)を「リスク=ハザード×暴露」と捕らえ、今までの暴露を減少させる方法ではなく、根本の製品を作りだす時のハザードを減少させ、健康や環境のリスクを下げるという、ハザード管理型の考えです。
簡単に言うと、作ってから処理の出口をいじるのではなく、もの作りの段階でハザードの低い物質を使い、汚染そのものの発生を経つという考えです。
グリーンケミストリーの12箇条
- 廃棄物は”出してから処理”ではなく、出さない。
- 原料をなるべく無駄にしない形の合成をする。
- 人体と環境に害の少ない反応物・生成物にする。
- 機能が同じなら、毒性のなるべく小さい物質をつくる。
- 補助物質(溶媒、分離剤)はなるべく減らし、使うにしても無害なものを。
- 環境と経費への負担を考え、省エネを心がける。
- 原料は、枯渇性資源ではなく、再生可能な資源から得る。
- 途中の修飾反応はできるだけ避ける。
- できるかぎり触媒反応を目指す。
- 使用後に環境中で分解するような製品を目指す。
- プロセス計測を導入する。
- 化学事故につながりにくい物質を使う。
(参考文献)
「グリーンケミストリー」Paul T. Anastas, John C. Warner (原著), 日本化学会、化学技術戦略推進機構 (訳編)渡辺 正, 北島 昌夫 (翻訳),丸善